2017最低賃金改定 全国一覧表をご覧いただけます
2017年 最低賃金(時給)が下記の通り改定されることが確定しました。
(左:改定後 右:改定前)
今年の改定幅は昨年以前からの流れに引き続き3%。東京、大阪などでは26円、史上最高の上げ幅となりました。
政府は、全国平均の時給が1000円を超えるまで、毎年毎年3%ずつ上げます、と明言しています。
2023年まで下表のように上がり続けることになっています。
2023年まで、毎年3%、毎年3%、最低賃金(時給)は上がり続けていくという、大きな流れが日本国内にあるということを頭に入れておきましょう。
日常清掃の採算がどんどん悪化します。今もうすでに採算割れの現場もあることでしょう。
また3%です。来年も、そのまた次の年も。
政府の方針は、最低賃金を上げていきます。つまり経済のボトムを上げることで、物価指数という大きな意味での経済効果をあげようとするものです。
中小零細企業・下請企業は、元請さん・お客さま・市場に対して値上げをしていってほしいというのが、政府が求めていることです。
決して中小零細企業・下請企業をいじめようとするものではありません。
値上げをする、物価指数をあげていこうという大きな流れなのです。
時流なのです。
私たちにはとめられません。
だから、じっとしては採算割れをする現場がどんどん増えていきます。
最賃改訂は、毎年3%、毎年3%です。
私たちは留まってはいけません。どんどん動きましょう。
私たちがやるべきことは3段階です。
1.現在の契約金額のままで、時間短縮や効率化をし、時給をあげても時間を若干短縮し、
採算に影響のないよう企業努力すること。
可能であればこれが最良。お客様に値上げせずに、自社も採算がとれる、これが最良であることに
間違いありません。
しかし、すでに乾いた雑巾。これができない場合は残念ですが次の方法です。
2.値上げをお願いする。
元請さんに値上げのお願いをしましょう。
しかし、元請さんも利益がでていない場合もあります。
元請さんといっしょになってお客様への値上げのお願いをする、
元請さんがお客様に説明できるような資料作りなどのお手伝いをするなどして、
元請さんと力を合せるのも素晴らしいことです。
3.値上げが叶わない場合は、残念ですがお仕事をお断りします。
あくまでも最終手段です。
採算の合わないお仕事はどうしても手がかけられなかったり、費用をかけれなかったりします。
そうすると、お客様は満足していない、元請さんはもうちょっとしっかりやってほしいと不満を抱き、
自社は利益がほとんどないし、従業員の労働はどんどん過酷になる。
つまり誰にとっても良くないことをしてるだけになってしまいます。
私たちの課題はこの3段階だと思います。
早く動きましょうね。
a
パートさんの採用むずかしいですよね。
募集しても人がこない。。。
a
なぜでしょうか??
なぜ求人誌や新聞の折込チラシでは、清掃パート募集が一番多いのでしょうか??
a
答えは、他の業界よりも時給が低いからです。
時給が同水準であってもきつい仕事はさけられます。
コンビニ、スーパー、物流倉庫での検品仕分け、などなど、体力的にもそんなにきつくなさそうで、汚れ仕事でもなく、接客や対人が苦手な人でもできそうな仕事は多くあります。
a
残念ながら、清掃業がえらばれるのは最後の最後でしょう。
a
求人誌を見ていて最近気づきますが、介護業界の求人は少し減りました。
時給を上げていき採用ができているところが増えたのです。
以前の求人誌は、清掃業と介護業がずばぬけて多かったのですが、最近は清掃業だけがずばぬけて多いです。
もう人はいません。あまっている人、職を探している人はいないと考えた方が良いです。
他の業界から人を引っ張ってくるぐらいの考えで時給を設定しないと採用はできません。
私は、清掃のお仕事は、世の中が衛生的で安心安全であるために、たいへん大きな貢献をしている職種だと考えています。世界中の国の中で、日本が屈指の美しさをほこっているのは、私たちの業界がしっかりやっているからです。
しかし、清掃のお仕事の社会的意義や、やりがい、働き甲斐をいくら発信しても、残念ながら働き手は増えません。
他の業種に負けない待遇でないと、働いてくれる人はきません。
a
値上げのお願いなんて、長年お世話になっている元請さん・お客様にはたいへん申し上げにくいことではあります。
しかし、無理なものは無理。
無理なものは無理なのです。
お客様は満足せず、元請さんは不満をもち、自社は利益がなく、従業員は過労、こんな誰のためにもなっていないお仕事ではいけません。
値上げは決して私たちの身勝手なお願いではないのです。
水谷 豊