プロシオンジャパン IAQnews No.7
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皆さんはMVOCという言葉を聞いたことがありますか?
VOC;揮発性有機化合物については、前回までにも何度かご紹介させていただいたので、ご存知の方も多いと思います。VOCは科学的汚染物質でしたが、MVOCはIAQnews No.2でご紹介した、生物的汚染物質の中の細菌やカビ(真菌)と関係があるのです。
室内に生育する細菌やカビ(真菌)などの微生物は、増殖と代謝の過程において室内の有機物質を分解し、その生成物としてアルコール類などのカビ臭の元となる化学物質を発生します。このように微生物により生成する揮発性有機化合物を微生物由来揮発性有機化合物;MVOC(Microbial Volatile Organic Compounds)と呼んでいます。
今回からは、このMVOCに関連したお話をしていこうと思います。
近年、建築環境の分野において「ダンプ」という言葉がよく聞かれます。ダンプとは、「Damp」「Dampness」であり、湿気、湿った、じめじめした、という意味で、建築内部の環境の悪化を示したものです。
WHOでも、ダンプに関するガイドラインが作成されたところです。この中で出てくるダンプビルディング(ハウス)とは、住宅や建築物の湿度環境が過剰であること、これにより微生物の発生、カビ臭などの問題が起きている建物のことです。ダンプビルディング(ハウス)により微生物が発生し、その微生物から発生するMVOCの発生も促進することが注目されています。
ダンプと人の健康被害(シックハウス症候群など)の関係については、疫学的な検討が行われています。ここでは、症状と住宅のカビ臭さなどとの関連があることが示されています。
次回は、海外におけるMVOCと健康影響についての調査結果をご紹介したいと思います。
また、大量の水を使うカーペット清掃とMVOCとの関係について考えてゆきたいと思います。
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