ビルメン業界の2016の動向と2017以降の課題【掃除のつぼ まとめ】
掃除のつぼ会員の皆さま
今年も終わろうとしています。年末まで大変お忙しくなさっていることと存じますが、どうかお怪我や事故のないようにくれぐれもご注意ください。
2016年を振り返って、私たちの清掃業界で一番苦労したのは、スタッフの採用難でしょう。
日常清掃パートの採用難はたいへん深刻です。
大手ビルメンさんが、採用難と人件費上昇による収益性低下でホテル客室清掃から撤退するというニュースが聞こえてきました。紆余曲折・諸事情があるでしょうが、今の時代を象徴するニュースに感じたと同時に英断だと思いました。
採用難は日常清掃パートに限らず、定期清掃スタッフや管理担当社員もそうです。
私たちの業界は、著しい採用難に陥っています。
なぜなのか??????
それは、他の業界に人がとられてしまっているからです。
円安の恩恵で、輸出の製造業とその周辺の業界が元気で採用を増やしています。
また、外食産業やスーパー、ドラッグストア、コンビニなど小売店舗数は増加傾向で、多くの求職者を取り込んでいきます。
他の業界に人をとられてしまって、もう人がいないに等しいのです。
有効求人倍率も、バブル全盛期を超えたと言われています。
もう人がいない、これが一番の理由です。
(労働人口の減少もさけばれていますが、この問題はこれから10年20年の大きな課題なので今は割愛します。)
直面している採用難をどうすれば克服できるのか?
ユニフォームを明るくして業界のイメージを変えるとか、清掃業の社会貢献度を世の中に発信してイメージを良くするとか、そんな悠長な話では間に合いません。
喫緊の課題です。
答えは、他業界よりも、良い待遇で募集をするしかないです。
最低賃金や賃金相場は待ったなしで毎年確実にあがっていきます。
募集の待遇をどんどんあげていかないと、常に他の業界に人をとられて、私たちの採用難は絶対に克服できないでしょう。
人気職種なら別ですが、残念ながら不人気職種なのでなおさらです。
求人情報誌を見てください。折り込み求人チラシの中で、清掃パートの記事がなんと多いこと。しかも待遇が低い。
同じように介護業界でもたいへんな苦労が見えます。
繰り返しますが、採用難の競争相手は、私たち同業同士ではなく、他業界です。
他業界の募集条件よりも良い時給で募集するしかないのです。
しかしそれには原資が足りません。もう限界です。
請負価格が上がらないと無理です。
去年のこの時期に書かせて頂いた記事では大手さん、元請さんにお願いするかたちで同じような内容を書かせて頂きましたが、今年は、実際に作業スタッフを採用し、作業を担っている下請さんにお願いをしてみたいです。
①日常清掃案件では、清掃パートさんが採用可能な予算が取れる請負価格にしてもらえるように元請さんにご相談してください。難しい話しになるでしょうが、苦し紛れの仕事を続けて元請さんの信用を傷つけるよりはいいはずです。
②定期清掃会社さんでも同じです。休みが少なく、昼夜問わず、賞与も有給休暇もない会社では、新規の採用は難しいはずです。少人数で無理をして、人の入れ替わりも激しく、技術の蓄積ができないからいい仕事ができずにクレームを頻発し、元請さんに迷惑をかけていませんか?もう少し予算を上げて頂けるようにご相談してみるべきです。
③無茶な指値を引き受けない。
単価の相場が安いのは、安値を誰かが引き受けるから安止まりしているのです。
安値受注のように見えても企業努力で利益が出せるなら賞賛させることですのでたいへんすばらしいことですが、しかし、そうでなくて、ただしわ寄せを我慢しているだけの安値受注は、下請さんはもうしてはいけません。
元請さんの顔をたてるとか複数物件をグロスで考えるとか、安値物件を請けざるを得ない状況もありますが、その行きつく先が現在の状況ではないですか!!
採用難を克服するには、待遇の引き上げしか方法はないです。
待遇の引き上げには請負価格の見直しが必須です。
動いた下請さんは、いったん凹みますが、ぐっと改善するでしょう。
動かなかった下請さんは、じりじり年々さがり続けていくだけでしょう。あそこはこんな単価でも引き受けてくれてるからと安い案件が集まってきそうです・・・
あ
2017年、下請さんは、採用難の解消にむけて請負価格の検討をする年にしませんか?
このままでは、採用難が原因で、元請さんにも、そのお客様にもご迷惑をお掛けしてしまう結果にむかうだけかもしれません。
もちろん価格の再検討をご相談する前に、企業努力は全力で行いましょう。
それでも、方策がなければ、元請さんとご相談という形で進めてみてはいかがでしょうか。
最低賃金は年3%で上がり続けていきそうです。
3年で約10%もあがるわけです。900円なら990円になります。
猛スピードで環境が変わっていっています。
あ
清掃業界と他業界との採用競争、業界全体で真剣に考えていかなければいけない重要な課題ではないでしょうか。
あ
いろんなことを好き勝手に書かせて頂きました。
それは違う! というお叱りを受ける部分もありそうですが、何卒ご容赦ください。
ビルメンの仕事に誇りをもち、ビルメン業界の発展とビルメン業界で働く人々の幸せを切に願う立場として 書かせて頂きました。
ビルメン業界と業界で働く人々にとって、2017年が飛躍のきっかけになる年になるよう祈念いたします。
今年も1年間、多くの皆さまからのご支援・ご協力を頂戴できましたこと厚く御礼申し上げます。
掃除のつぼは皆さまのお役立ちサイトとして、引き続きがんばってまいりますので、来年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
今年1年間、本当にありがとうございました!
心より感謝申し上げます!!
掃除のつぼ運営責任者 水谷 豊
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